夢の模型飛行機

こんな模型飛行機があったらいいな。そう思ったたくさんの人たちがこんなに素敵なもの作りました。

2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

模型の神様

僕はもしかすると、模型の神様に会ったのではないかと思っているのです。

1960年代の終わり頃、小学3年生の僕は堺市の浜寺公園という松林の有名な公園で、不思議な人物に出会いました。
その頃の浜寺公園は臨海部の埋め立て地にコンビナートを誘致し、美しい砂浜を失った見返りに、大規模な花壇や舗装された散歩道が整備されていました。
花壇にはバラが植えられ、季節の良いころには結構な人出で、中央のアスファルトで舗装された広場にも行き交う人が大勢いました。
その広場でラジコン飛行機を飛ばそうとしている一人の初老の男性がいたのです。
人込みと言ってもいいその場所で足元に大きな模型飛行機を置いて、近づいて来る子供ににこにこと笑いかけている。
僕の親父は当時シングルチャンネルのボタン打ちの RC機を始めたばかりで、15エンジンの練習機をノーマフラーで回していたりして、僕はエンジン模型のあまりの凄まじさに恐れを成して、ラジコンやUコンの飛行機にはあまり近づきたくなかったのですが、何故かそのおじさんには引き寄せられて行きました。
ラジコンといえば大きな道具箱を横に置いて、ぴかぴかの飛行機は見ていても整備ばかりでエンジンもなかなか掛からず、滅多に飛び上がらないというのが相場でしたが、その人の様子は違いました。
飛行機は今でいう25クラスぐらいだったでしょうか、低翼の赤い機体で紙張りだったと思うのですが、主翼には破れているところもあり、かなりボロい感じ。手にしているのは送信機と単一の電池が一本、小さなチョークポンプが足元にありました。
たくさん子供が集まって来たのを見計らうと、おじさんはキャブレターに2、3滴チョークをして、手の中の単一電池のお尻をプラグの先端に当てて+の極にハンダ付けされたリードをエンジンのシリンダーに触らせると、ぽんと一つだけプロペラを叩いてエンジンを掛けたのです。エンジンのシリンダーを摘んでいたのか、それともエンジン始動で飛びだす飛行機を電池を持った手で器用に止めたのか、いま再現しようとしてもそのやり方は解りません。
とにかく、そうして掛けられた飛行機のエンジンの音の静かな事。
当時のエンジン始動は全開が普通でしたので、始動と同時に轟音が響き渡るのですが、その人のエンジンは最スローで掛けられたのです。
ぽろぽろ回るエンジンを見下ろしながら、その人はやっぱり子供達に笑っていました。
そして、人の流れがちょっと途切れたすき間を縫って、エンジンの回転を少し上げた飛行機を滑走させると、ひょいと飛び上がらせたのです。そしてゆっくりとした速度で人々の頭上を一回りした飛行機は、また行き交う人のすき間を狙って着陸すると、ころころとおじさんの足元に戻りました。
いま思えば言語道断の危険行為なのですが、怖がりのビビリんちょだった僕の目から見ても不思議に危ない感じはしなかったのです。
不思議と言えばその飛行機のエンジンの静かさも当時では考えられません。マフラーがどうだったか、そこの記憶はまったくないのですが、今思い出してもムサシノのサブマフラー付きに匹敵する静粛性だったように思えてなりません。そしてあの自由自在の軽い飛びは何だったのでしょう。その頃にそんな飛行の出来る操縦装置が実在したのでしょうか。
その人は戻って来た飛行機を見つめている僕に尋ねました。
「低翼はエルロンじゃないと飛ばんのに、この飛行機はラダーだけ。何で飛ぶべるか解るかな」
僕は飛行機の様子をよく見てから、恐る恐る応えました。
「上反角が大きいから?‥」
その人はほうほうと笑って言いました。
「よーし、よし。その通り」
おじさんがもう一度飛行機を飛ばすのを待っていましたが、僕は父親に手を引かれてその場を離れました。

今になって思うと、あれは人ではなかったような気がしてなりません。
目の前ですごい飛行が行われていたのに、大人たちはそれに気付いていなかったように思えるのです。
神様‥
そんなわけないよな‥
けど時々「模型の神様」と口にするとき、ぼくはその人の姿を思い浮かべています。

先日手紙の返信に添えようと、27年ぶりに水彩絵具で絵を描いてみました。

20060620150837.jpg

相変わらず下手です。

年齢も40中ばを過ぎたので何とかすっきりとした気持ちで、巧く見えるようにとか、デッサンを整えようとか考えないように、素直に描ければいいなと思ったのですが‥なかなかです。
けどちょっといい気持ちになれたので、林先生にご覧頂く事にしました。
スポンサーサイト

コメント

神様

いつもこのHPを拝見していて思うのですが、北尾さんは僕たちとは(普通の)違った感性があるのでしょうと。書かれてる文章も、味があります。僕のように粗雑な人間には到底出来ない何かがあるんですね。だから毎日ここを訪れていい気分になってます。こんなせわしない世の中ですから、せめて、趣味の世界の中だけでもゆとりのある幸せな気持ちにさせて頂いて感謝してます。

大切な思い出なのですが、もしかすると長い時間のうちに本当の出来事とはずいぶん違う事になってしまっているかも知れません。
けど勘違いや思い込みは僕の行動の原動力になっているような気がします。

毎日のように飛行機の記述をしていると、長い間忘れていた色々な事が次々に思い出されて楽しいです。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

ページ管理人は「北尾」です。

ページ管理人は「北尾」です。

楽しい模型飛行機の世界をどうぞご一緒に。

このホームページの写真等の無断転載、無断使用は堅くお断りします。

FC2Ad

まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。